okage-sama日記

聴覚障害のある和尚のブログ

聴力低下から3年半、人工内耳手術を決断する

聴力低下~障害者手帳認定

 2019年1月に、メドエルEAS人工内耳システムの埋め込み手術を受けました。

 聴力低下から手術を決めるまでの経緯をざっと書いてみます。

  2015.4 著しい聴力低下を自覚する。投薬治療を始める。

  2016.4 身体障害者手帳4級認定。

 この時期の具体的な症状(裸耳)は次のとおり。

  ・固定電話、テレビの音声はまったく聞き取れない。

  ・携帯電話は、ゆっくり・はっきり等の補助機能を使えば少し聞き取れる。

  ・静かな場所で対面していればある程度会話ができる。

  ・複数での会話、ガヤガヤした場所での会話はまったく聞き取れない。

 スマホに保存していたオージオのデータが消失してしまい、この時期の正確な数値は手元にありませんが、125~500Hzが50~60db程度、1000Hzになると90~110db程度だったと思います。語音明瞭度については、ほとんど聞き取れずにカンで答えていました。片耳40%程度いくこともあれば、10%程度のこともあり、という感じです。

 使用していた補聴器は、ワイデックスのD2‐FS EW。「DREAM」と呼ばれるモデルで、3年半ほど使用しました。効果については、確かに裸耳では聞こえない音が聞こえます。しかし、言葉を聞き取るのに顕著な違いがあったかと問われると、「あまり変わらなかった」というのが正直な感想です。

 補聴器の調整をしてくださった技能者の腕は確かです。これは、転勤先でお世話になった技能者も、現状でできる最適なセッティングだと認めていました。

 補聴器があまり役立たなかった理由を考えてみるに、補聴器への期待が高すぎたのだと思います。45年もほぼ健聴者として過ごしてきたので、普通に聞こえるイメージが頭から離れず、常に「聞こえない、聞こえない」と感じて過ごしていました。補聴器で聞こえを補えることよりも、「もっと聞こえないのか?」と不満ばかり感じていました。このような精神的な部分が、聞こえにも影響していたのではないかと思います。

 裸耳では聞こえない音が聞こえること、言葉がわずかでも聞き取りやすくなること、そのような変化をもっと前向きな気持ちで捉えれば、補聴器にも慣れ、聞き取りも顕著に向上したのかもしれません。

 

更なる聴力急墜

  2018.9  左の聴力が急墜。平均聴力レベル97.5(4分法)

 2018.11 右の聴力が急墜。平均聴力レベル82.5(同)

 それなりに維持できていた250~500Hzが急墜しました。言葉として聞き取れないだけでなく、入ってくる音のボリュームが下がり、左耳は「聞き取れない」状態からほぼ「聞こえない」状態になりました。スマホのアラームを最大音量にしても、鳴っていることに気づかないレベルです。右耳は、音や声は聞こえるものの、会話は著しく困難になりました。

 この時期の語音明瞭度は、左5%(100db)、右10%(90db)。

 静かな場所で、対面して会話することもできなくなり、手術することを決断しました。医師の、聞き取りをよくするなら両耳手術した方がよいという助言に従い、両耳を同時に行うことにしました。

 次は、手術前に考えていたことについて書きたいと思います。