okage-sama日記

聴覚障害のある和尚のブログ

メドエルEAS 音入れ

 2月15日に初めての音入れをしてきました。

 充電器、乾燥機、交換用のパーツ、マニュアル・・・が両耳分。あまりにかさばるため、開封してまとめたにも関わらずこれだけあります。車でないと運ぶのが大変です。

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EAS一式
音入れの前に

 手術から一ヶ月強での音入れです。ネットで、3週間くらいで音入れするという記事を読みましたが、秋大の先生は「手術から音入れまで時間をおいた方が経過がよい」との方針で、このタイミングとなりました。

 最初に、メドエルの担当者を紹介されます。

 次に聴力検査。実感としては術前より全然聞こえないのですが、検査ではそれなりの数値が出ました。静かな場所で、ヘッドホンで集中して聴くので、やはり実生活とは違います。平均聴力レベル4分法で、右86.3db、左96.3db。

 次に、機器の説明を受けます。術前に実物を見てわかっていましたが、補聴器に比べて「大きいな」という印象。インプラントを見たときの「えー、この長いのを蝸牛に入れるの・・・」という当惑に比べたらどうということはありませんが。

 マグネットの強さやイヤーフックの長さなどを調節して、いざ装着。イヤーモールドはとりあえず耳栓。すぐオーダーで作る人もいるし、しばらく耳栓を使う人もいるとのこと。私は当面は耳栓で様子を見ることにしました。頭に付くコイル部分はとても軽く、くっついてるのを忘れそうなくらいです。マグネットの強度は先生が選んでくれましたが、思ったほどピタリではなく、軽くくっついているという感じです。

いよいよ音入れ

 最初に機器が正常に作動しているかのチェック。正常に動いているとのことでひと安心。この瞬間が一番緊張しました。

 音入れの第一印象は、「人工内耳すげぇー」という驚き。音が頭の中にダイレクトに入ってきます(人工内耳だから当たり前ですが)。聞こえ方が補聴器とは全然違います。これで言葉が聞き取れたらいいだろなぁと期待せずにはいられません。

 先生が検査結果を入力したら、音を聞きます。人工内耳から音が聞こえ、だんだん音量が大きくなっていきます。それに対し、「小さい」・「中くらい」・「大きい」などの表示を指さして先生に聞こえ方を伝えます。この作業を繰り返し、人工内耳部分のプログラムは終了。補聴器部分は、聴力検査を元に自動でプログラムが作られ、細かい調整は無し。

聞いてびっくり

 いよいよ、人工内耳部分と補聴器部分の音を合わせて聞きます。聞いてびっくり。先生が話す内容の8割がわかります。もちろん電子音です。ピコピコ、キューン、といった昔のテレビゲームのような音ですし、壊れかけのロボットがしゃべっているような声にしか聞こえません。それでも、先生の話が理解できます。これには本当に驚きました。先生曰く、聴力が落ちてから3~4年しか経っていないので、脳が言葉を認識しやすいのではないかとのことでした。

 引き続き左のセッティング。右よりもさらに先生の話がわかります。

 人間とはわがままなものです。一方では今後に期待する気持ちが膨らみましたが、一方では「こんなに聞こえるなら、手術は左だけでよかったかも」と考えてしまいました。そうすれば、裸耳でも、ある程度は音を聞くことができた気がします。

 想像していた以上に、右裸耳の聴力が失われ、音も声も聞こえなくなりました。確かに、両耳人工内耳の方が言葉の聞き取りにはよいと思いますが、自然の音が聞こえなくなるのはなかなか辛いものです。これから手術を検討される方は、片耳か、両耳か、そこは本当によく考えた方がよいと思います。

 時間をかけて調整していくことで、今より自然な感じで聞こえるようになるとは思います。しかし、このような電子音の洪水に慣れることができるのか、一抹の不安を覚えるのも確かです。

 言うまでもありませんが、術後の聞こえの程度や経過は個人差が大きく、私の経験がそのまま他の人に当てはまるとは限りません。あくまで個人的な意見ですが、補聴器時代とは比較にならないほどよく聞こえます。今後、マッピングを繰り返し、リハビリを重ねることで、さらに聞こえが改善していくことを期待し、頑張ろうと思います。

 今後も、経過を記事にしていきたいと思います。

 

 

 

残存聴力活用型人工内耳システム 手術体験

 秋田大学医学部付属病院にて、メドエルEAS人工内耳システムの埋め込み手術を受けました。

 当初の予定は、2019年1月9日入院、11日手術、18日までに退院というものでした。実際は、傷の回復状態がよいとのことで、16日に退院しました。

9日・10日(入院から手術前日まで)

 9日の10時半に受付し、入院生活がスタートしました。術前に聴力検査をするものと思っていましたが、耳の検査はありませんでした。起床・食事・就寝時の計五回、検温と血圧測定がありました。また、私は血糖値が高いため、同じく五回の血糖値の検査がありました。

 手術前はもっぱら〈説明と同意〉のための時間です。手術、麻酔、血液製剤の使用、遺伝子検査について説明を受け、同意しました。手術・麻酔・血液製剤については、いずれもリスクが伴いますが、手術をお願いする以上は「同意しない」という選択肢は無いでしょう。同意を前提に、疑問があれば質問して不安を解消する時間という感じです。適宜図や筆談を交えて丁寧に説明をいただきました。

 両耳の後ろ側を、付け根に沿って切開し、インプラントと電極を入れます。イメージ的には耳の長さ分を切るような感じです。

11日(手術日)

 10日の21時から絶食。11日の6時45分までにコップ一杯程度の水(かお茶)を飲み、以後は絶飲。絶食・絶飲になると、妙にお腹がすいて喉が渇くものです。お菓子が食べたくなったり、コーヒーが飲みたくなったりして、困りました。

 術衣に着替え、8時40分ころに、車椅子に乗って手術室へ向かいました。今まで大きな病気をしたことも無く、手術をするのも初めてです。車椅子に乗ったあたりから急激に緊張感が高まり、テレビで見るような手術室に入ったあたりで不安を感じ非常に心細くなりました。

 ベッドに寝て、心電図のシールを貼ったり、指先に酸素を測る機械をつけたりして、いよいよ麻酔の点滴が始まりました。酸素マスクをつけたなぁ・・・・・・から意識が無く、目が覚めたら病室のベッドの上でした。目を覚ましたのが確か18時ころ。猛烈な吐き気がして、吐き気を抑える薬を点滴に入れてもらいました。

 吐き気が強烈すぎて、しばらくは痛みを感じる余裕も無し。20時くらいから傷が痛みだして痛み止めをもらいました。医師・看護師は「めまい」の有無を気にしていましたが、私の場合はめまいはありませんでした。深夜になったころ、ひどい耳鳴りがして思わずナースコールをしてしまったのですが、今思うと、実際に耳鳴りがしたか定かではありません。耳鳴りがしているような気になったというか、そういう夢を見ていただけのような気もします。いずれにしろ、麻酔から覚めた後は、吐き気→痛み→耳鳴りで全然眠れませんでした。

12日~14日(術後三日)

 12日~14日は、終日抗生剤の点滴がつながっていて、動くのに多少不自由します。また、手術の影響で耳に水がたまるため、耳の奥がゴロゴロして少し気になります。この水のせいか耳はまったくと言っていいほど聞こえません。

 一日五回の検温・血圧・血糖検査、一日一回の診察以外は特にやることもなく、テレビを見たり本を読んだりして過ごしていました。めまいや耳鳴りはまったく無く、傷も思ったほど痛くはありません。私は、鈍痛で読書に集中できないのが嫌で、この三日間は痛み止めを飲んでいましたが、飲まなくても過ごせるレベルの痛みです。

 傷口のガーゼ交換が無いのには驚きました。子どもの頃(40年も前ですが)、頭や指を切って縫ったときは、血でくっついたガーゼを交換するのが嫌でたまりませんでした。今や、そんなことは必要ないのですね。また、傷口がふさがる早さにも驚きました。この三日で傷をガードする覆い状のものも不要になりました。

 困ったのは、寝るときに寝返りが打てないことでした。両耳を手術したため、左右どちらを向いても耳が下になり、こすれて痛みを感じます。日中は眠らず、痛み止めも飲んで、夜に眠れるように努めましたが、耳がこすれるとどうしても目が覚めてしまい、慢性的な寝不足になりました。

15日・16日

 抗生剤の点滴が終わりました。傷がふさがり、痛みもおさまり、ある程度寝返りを打っても平気になりました。傷が順調に回復しているため、16日以降に退院できることになりました。

 傷が回復する一方で、相変わらず耳はほとんど聞こえず、そのことが不安になってきました。医師からは何度も、「術後しばらくは耳に水がたまって聞こえにくい状態が続く」との説明を受けていましたが、「聞こえにくい」と言うより「聞こえない」に等しく、「しばらく」すれば術前に近いくらい聞こえるようになるのか、非常に不安を感じながら16日に退院しました。

2月14日現在

 退院してほぼ一ヶ月。明日、最初の音入れがあります。

 この一ヶ月、「『残存聴力活用型』なんだよな・・・・・・」、「『しばらく』は聞こえにくい(しばらくすれば聞こえるようになる)んだよな・・・・・・」と感じながら、不安な日々を過ごしてきました。

 確かに、退院時よりは少し聞こえるようになっています。しかし、実感としては「聞こえない」に極めて近い状態です。術前は聞こえた音、例えば車のクラクション、部屋の戸をノックする音、スマホの呼び出し音や目覚ましの音などが聞こえません。言葉の聞き取りはできなくても、声自体は聞こえたはずが、今は話しかけられてもまったく気づかないという状態です。術前の聞こえを「10」とすれば、今は「1」くらいでしょうか。この状態が固定化してしまうのか、それとも少しずつ術前の状態に近づいていくのか、明日うかがってみようと思います。

人工内耳 手術のリスクについて

注意すべき合併症と危険性 

 2019年1月11日に、残存聴力活用型人工内耳(メドエルEAS人工内耳システム)の埋め込み手術を受けました。一ヶ月が経ち、15日に最初の音入れがあります。

 前回のブログに、手術を検討するに当たり一番心配したのは、残存聴力がどの程度落ちてしまうかという点だった、という記事を書きました。今回は、この手術にどのようなリスクがあるかをまとめてみます。秋田大学医学部付属病院で術前にいただいた用紙には以下の記載があります。

 

注意すべき合併症(一般に生じやすいものと、今回特に注意すべきもの)と危険性

出血:術後に出血が続く場合、再手術で止血しなければならないことがあります。

感染:術後の傷に感染すると、まれに感染のため人工内耳を摘出せざるを得ないことがあります。

疼痛:術後の傷が痛むときは鎮痛剤を使用します。

顔面神経麻痺:顔を動かす神経の近くを削るので神経損傷に注意して手術をする必要があります。麻痺が出現した場合、ステロイドなどを使用することで治療します。

顔面けいれん:電極の刺激が顔面神経に及ぶことでけいれんがおこることがあります。人工内耳の調整で対応可能です。

めまい:内耳に穴を開けて電極を挿入するため術後めまいが起こることがあります。時間経過とともに改善してきます。

髄液漏出:内耳に穴を開けた際に髄液が漏出してきた場合、電極を入れた後に髄液をとめる処置をします。

味覚障害:中耳には味覚をつかさどる神経が走行しており可能な限り温存しますがまれにやむを得ず切断することがあります。手術側の味覚が鈍くなりますが、時間経過と共に改善します。

頭蓋底損傷:骨を削っている最中に頭蓋内につながることがあります。

人工内耳の不具合:人工内耳がうまく動かなくなった場合、交換します。

人工内耳の露出:人の体には異物を排出する働きがあるため人工内耳が次第に露出してくることがあります。

人工内耳の挿入困難:通常電極は問題なく入りますが、まれに入らないことがあります。

 

 他の方のブログを見ると、「これは*%程度」といった感じで、より具体的に説明されるケースもあるようですが、私の場合は、「これらはあくまでも可能性であって、極めて稀なことです。心配しなくて大丈夫です。」とのことでした。

 聞くところによると、秋大病院では月に一人くらいのペースで人工内耳手術があるそうです。検査技師の方は「私が赴任してから、術後に人工内耳を摘出したケースは一件。手術・機器の信頼性は極めて高いと思いますよ。」と話していました。

 過去に、父や姉の手術・治療の説明を聞いたり同意をしたりという経験があったため、リスクの説明を聞いて怖くなるといったことはありませんでした。「なるようにしかならないのだから、信頼してお任せします。」という心境です。手術台の上で自分にできることはなく、「まな板の上の鯉」状態ですから、疑うより信じた方が気が楽というものです。

 幸い、術後から現在まで、上に書いたような症状はありません。

 私はスキンヘッドなので、髪の緩衝がなく、皮膚をはさんでマグネットとインプラントが密着する形になります。インプラントは予想以上に浅い場所にあり、触ってみると間に薄い皮膚があるだけです。マグネットの強度に気をつけないと、最初は皮膚がこすれて傷になりそうな気がします。そのうち皮膚が鍛えられて直るのでしょうが。

 

 次は、入院から退院までのことについて書く予定です。

残存聴力活用型人工内耳 メドエルEAS人工内耳システム   術前の迷い

手術に対しての迷い

手術するかに迷う

 この手術の存在を知ったのは、2016年の春ごろだったと記憶しています。当時私は、岩手県奥州市正法寺で修行生活を送っており、老師から「東京の三田病院によい先生がいるようだから、いつか行ってみたら」とHPのコピーをいただきました。

 その後、2016年の夏に秋田へと戻り、現在まで秋田大学医学部付属病院でお世話になっています。2016年の秋、一度三田病院で手術の話を聞いてみたいと思い、主治医に相談したところ、快く紹介状を書いてくださいました。

 国際医療福祉大学三田病院の岩崎先生は、多くの手術実績を有するこの分野のスペシャリストです。いわゆる「名医」であることは間違いないように思われました。しかし一方で、私がリスク等の質問することに対し、「やる前からそんな心配はしなくていい」と受け流し、「私は忙しい」と診療を打ち切る態度にかなりの不快感を抱きました。偶然にも、その場に秋田に縁のある看護師さんがいて、別室で私の不安や質問に丁寧に応じてくださったので、手術についていろいろ考える材料になりました。

 術前に私が悩んだのは、①手術のリスク、②どの病院で受けるか、ということです。

 ①については、「残存している聴力が、手術によってどの程度失われるか」という点が最も心配でした。言葉の聞き取りには不自由しても、声や音がまったく聞こえないわけではありません。長男・長女と話しているとき、話している内容はよくわからなくても、「元気がないな」とか「楽しそうだな」とか、声の感じはわかります。もし残存聴力を大きく失えば、声そのものが聞こえなくなってしまう可能性があります。たとえ人工内耳で聞こえるようになっても、今まで聞こえていた子どもの声が聞こえなくなるということは、私には重大なことに思われました。

 残存聴力をどの程度失うかについては、主治医も岩崎先生も、説明では全く触れません。個人差があるためやむを得ないと思いますが、質問しても具体的な答えはいただけませんでした。ネットで、「術前の聴力より30%程度聞こえなくなった感じ」という旨の記載を見つけ、「3割減」をどう考えるか非常に悩みました。

 2年ほど悩んでいたら、左右の聴力が急墜してしまいました。仕事への支障が大きすぎて、悩むも何も「手術するしかない」という結論になりました。

秋大病院か三田病院かに悩む

 ②については、秋大病院か三田病院かの二択でした。「手術は腕のよい医師に」と三田病院を進める人が圧倒的に多かったのですが、結果的に秋大病院に決めました。術後の音入れ・マッピングに通いやすいこと、医師の人柄も考慮しましたが、「秋田県でやったほうが誰かの役に立てそうだ」というのが一番の決め手でした。

 秋大病院の先生が経験を積む材料になれますし、今後秋田で同様の手術を受ける患者さんの役に立てるかも知れません。「献体」と言えば大袈裟ですが、自分が到った状況を少しでも次の人のために活かせたら、仮にうまくいかなくても、そこに意味を見いだせる気がしました。

 

 今回は、私が悩んだことについて書いてみました。

 次は、この手術のリスクについて、医師の説明を元に書いてみたいと思います。

 

 

聴力低下から3年半、人工内耳手術を決断する

聴力低下~障害者手帳認定

 2019年1月に、メドエルEAS人工内耳システムの埋め込み手術を受けました。

 聴力低下から手術を決めるまでの経緯をざっと書いてみます。

  2015.4 著しい聴力低下を自覚する。投薬治療を始める。

  2016.4 身体障害者手帳4級認定。

 この時期の具体的な症状(裸耳)は次のとおり。

  ・固定電話、テレビの音声はまったく聞き取れない。

  ・携帯電話は、ゆっくり・はっきり等の補助機能を使えば少し聞き取れる。

  ・静かな場所で対面していればある程度会話ができる。

  ・複数での会話、ガヤガヤした場所での会話はまったく聞き取れない。

 スマホに保存していたオージオのデータが消失してしまい、この時期の正確な数値は手元にありませんが、125~500Hzが50~60db程度、1000Hzになると90~110db程度だったと思います。語音明瞭度については、ほとんど聞き取れずにカンで答えていました。片耳40%程度いくこともあれば、10%程度のこともあり、という感じです。

 使用していた補聴器は、ワイデックスのD2‐FS EW。「DREAM」と呼ばれるモデルで、3年半ほど使用しました。効果については、確かに裸耳では聞こえない音が聞こえます。しかし、言葉を聞き取るのに顕著な違いがあったかと問われると、「あまり変わらなかった」というのが正直な感想です。

 補聴器の調整をしてくださった技能者の腕は確かです。これは、転勤先でお世話になった技能者も、現状でできる最適なセッティングだと認めていました。

 補聴器があまり役立たなかった理由を考えてみるに、補聴器への期待が高すぎたのだと思います。45年もほぼ健聴者として過ごしてきたので、普通に聞こえるイメージが頭から離れず、常に「聞こえない、聞こえない」と感じて過ごしていました。補聴器で聞こえを補えることよりも、「もっと聞こえないのか?」と不満ばかり感じていました。このような精神的な部分が、聞こえにも影響していたのではないかと思います。

 裸耳では聞こえない音が聞こえること、言葉がわずかでも聞き取りやすくなること、そのような変化をもっと前向きな気持ちで捉えれば、補聴器にも慣れ、聞き取りも顕著に向上したのかもしれません。

 

更なる聴力急墜

  2018.9  左の聴力が急墜。平均聴力レベル97.5(4分法)

 2018.11 右の聴力が急墜。平均聴力レベル82.5(同)

 それなりに維持できていた250~500Hzが急墜しました。言葉として聞き取れないだけでなく、入ってくる音のボリュームが下がり、左耳は「聞き取れない」状態からほぼ「聞こえない」状態になりました。スマホのアラームを最大音量にしても、鳴っていることに気づかないレベルです。右耳は、音や声は聞こえるものの、会話は著しく困難になりました。

 この時期の語音明瞭度は、左5%(100db)、右10%(90db)。

 静かな場所で、対面して会話することもできなくなり、手術することを決断しました。医師の、聞き取りをよくするなら両耳手術した方がよいという助言に従い、両耳を同時に行うことにしました。

 次は、手術前に考えていたことについて書きたいと思います。

 

 

  

残存聴力活用型人工内耳の手術を受けました

メドエルEAS人工内耳システム

 2015年春、45歳で聴覚障害(4級)になった和尚です。

 その後、さらに聴力が落ち、2019年1月11日、秋田大学医学部付属病院にて、メドエルEAS人工内耳システムの埋め込み手術(両耳)を受けました。これは高音急墜型感音難聴を対象とした、残存聴力活用型人工内耳システムです。

 残存聴力活用型人工内耳手術が保険医療として認めらたのは、2014年7月のことです。まだ日が浅く、ネットで公開されている経験談も多くはありません。そこで、幾らかでも参考になることを願って、ブログを書くことにしました。

 

 私がそうであった(そうである)ように、手術や術後の経過について、体験談を参考にしたいという方もいるのではないかと思います。身体のことは個人差が大きいので、私の経験がそのまま役に立つわけではないでしょうが、これから手術を受ける方や、手術を検討している方の参考になれば幸いです。

 

 最初の音入れが2月15日に予定されています。

 あと10日あるので、それまでは、聴力が急墜したところから手術までのことを書いていきたいと思います。